2008 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウムの水中メカノケミカル反応を利用した水素製造方法とLCAの検討
Project/Area Number |
20560758
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古山 隆 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (90284546)
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Keywords | 水素 / 水中粉砕 / アルミニウム / 遊星ボールミル / 新エネルギー / 炭酸ガス排出抑制 |
Research Abstract |
本研究では低コストが期待でき、かつ簡易な水素製造方法について検討を行った。具体的には、アルミニウムを水中で粉砕することにより水と反応させて水素を発生する実験を行った。初めに約3gの粉末アルミニウムを精製水100ml、精製水に1N塩酸を1%、10%混合した水溶液(合計100ml)および原液の1N塩酸100mlに添加した場合の1時間における水素の発生量を調べた。なお、添加状況は静置状態およびマグネチックスターラ撹拌で行った。精製水のみの場合、静置状態および撹絆状態でも水素はほとんど発生しなかった。一方、原液の1N塩酸の場合、静置状態より撹拌状態の方が水素が多く発生した。これは、これは粉末アルミニウムの方が表面積が大きいことから塩酸とより反応したためであると考えられる。次に粒状アルミニウムを塩酸と反応させた場合の水素発生量を調べた。粒状の場合、精製水に添加してマグネッチクスターラで攪拌すると水素が7ml発生した。しかし、塩酸の添加量を多くしても水素の発生量はほぼ同じであった。これは粒状アルミニウムの表面に酸化皮膜が形成され、反応が進まなかったためであると考えられる1)。さらに、粒状アルミニウムを水中粉砕した場合の水素の発生量を調べる実験を行った。粉砕は粉砕媒体(アルミナボール)100個、精製水100ml、アルミニウム約3gで行った。実験の結果、粉末では270ml、粒状では70mlの水素が発生した。遊星ボールミルは通常のボールミルに比べて粉砕媒体同士の衝突エネルギーは大きいと言われている。つまり、衝突する粉砕媒体の間にアルミニウムが入り込むとその衝突エネルギーにより直接アルミニウムイオンとなり、結果として以下の反応が起っていると考えられる。なお、粉末のほうが水素の発生量が多いのは表面積が大きいためであると考えられる。
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