2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウムの水中メカノケミカル反応を利用した水素製造方法とLCAの検討
Project/Area Number |
20560758
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古山 隆 東北公益文科大学, 公益学部, 准教授 (90284546)
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Keywords | 水素 / 遊星ボールミル / アルミニウム / 水中粉砕 / 風力発電 |
Research Abstract |
水素は燃焼しても水しか発生しないことから、クリーンかつ地球温暖化防止の点で期待される新エネルギーである。現状で水素社会の構築を行う場合は石油化学産業からの副生水素やコークス炉から発生する水素を利用することになるが、これらは水素生産の過程で二酸化炭素を排出するということが問題となるため、水素社会の実現においては二酸化炭素を排出せずに水素を製造する技術を開発することが重要となる。本研究では金属アルミニウムを粉砕した場合の水素発生のメカニズムを明確にする実験を行い、二酸化炭素が発生しない水素製造方法の開発を目的としている。 前年度では、リッチュ社製の遊星ボールミルType P-6を用いてアルミニウム(53-150μm:純度99.5%)の水中粉砕による水素製造の実験を行った。容器容量500ml、粉砕回転数200rpm、粉砕ボール100個(ボールサイズ10mm)、試料重量約3g、純水100mlの条件で水中粉砕を行った結果、1時間で280mlの水素を得ることができた。 本年度は風速(V)12.5m/sで定格出力(P)1000Wの発電能力を有する風力発電機による水素製造について検討を行った。風速と定格出力のデータから関係式はP=0.9172^*V^<2.7702>(R^2=0.997)とした。一方、本研究で使用した遊星ボールミルの仕様は最大粉砕回転数2400rpmで消費電力は1100Wである。粉砕回転数200rpmの場合の消費電力を比例計算により91.6Wとし、この消費電力を前述の風速と定格出力の関係式に代入することにより280mlの水素を製造するのに必要な風速は5.27m/sと算出した。
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