2008 Fiscal Year Annual Research Report
下水浄水場排水中リンの磁気分離によるゼロエミッション・超高速浄化回収と再資源化
Project/Area Number |
20560759
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊藤 大佐 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 教授 (90254151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 大介 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (50281241)
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Keywords | 磁気分離 / 下水処理場 / リン / 富栄養化防止 / ゼロエミッション / 吸着剤 / 再資源化 / 超高速浄化 |
Research Abstract |
本研究は下水処理場で浄化処理された方流水等に含まれるリンを超高速で浄化し、ゼロエミッションで回収して再資源化することの可能な新しい磁性吸着剤の開発を目的としている。これまでの再生可能なリンの磁性吸着剤は吸着剤からリンを脱着させるのにpHのコントロールが必要であった。本研究では熱処理のみでリンを簡単に脱着させることが可能なハイドロタルサイト系の新しい吸着剤の開発を目指している。 層状複水酸化物ハイドロタルサイトの化学式を以下に示す。 [Mg^<2+>_1-xAl^<3+>_x(OH)]^<x+>[(A^<n->)_x/n・mH_2O]^<x-> ({A^<n->:n価のアニオン、0.20≦x≦0.33}の組成式で表され、上下の層に挟まれたアニオンAがリン酸とイオン交換し、吸着する。上下の層を構成する金属イオン、マグネシウムとアルミニウムイオンの正電荷が、イオン交換するアニオンに引力を及ぼし吸着する。) ハイドロタルサイトの磁性を磁化測定により調べ、水に近い磁化率の反磁性体であることを明らかにした。これでは磁気分離の吸着剤として使えないので、金属イオンのマグネシウムとアルミニウムを鉄イオンで置き換えたいわゆるグリーンラストの合成を試みた。合成した粉末のX線回折の測定と磁化特性を調べた結果、グリーンラストは不安定ですぐにマグネタイトに変質してしまうことが明らかになった。現在、安定に合成する方法を検討中である。一方、天然に存在するグリーンラスト(学術名:パイロオーライト、これは単独の鉱石としては存在せず、他の鉱石に付着した状態で存在する)を入手し、現在、そのX線回折特性、磁化想定を実施中である。合成しても不安定であることと、他の岩石に付着した状態でしか存在しないこととに関連があるのかもしれない。
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Research Products
(1 results)