2009 Fiscal Year Annual Research Report
核燃焼トカマクの運動論的マルチスケールMHD現象の第一原理シミュレーション研究
Project/Area Number |
20560766
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
内藤 裕志 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (10126881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 康友 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (70354579)
大原 渡 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (80312601)
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Keywords | プラズマ・核融合 / ジャイロ運動論 / マルチスケール / 核燃焼プラズマ / 電磁流体力学 |
Research Abstract |
核燃焼トカマクの運動論的マルチスケールMHD現象を解析するための第一原理シミュレーションコードを開発することが本研究の目的である。用いる自主開発コードは、GpicMHD(Gyrokinetic PIC code for MHD simulation)である。平成21年度の研究実績は以下のとおりである。 (1) 3次元GpicMHDコードの並列化 1次元の領域分割版と2次元の領域分割版を用いて8192論理コアまでの並列化性能を検証した。計算性能は、コア数の増加に比例して向上し、利用可能最大コアまで顕著な飽和傾向は計測されなかった。このことはPIC(Particle In Cell)コードの一つであるGpicMHDが並列コンピュータの性能を十分引き出しうることを示しており、将来の数万から数十万コアめコンピュータに対しても十分な性能を発揮すると期待できる。計算アルゴリズムとしては、2次元の領域分割版においてポアッソンソルバーの部分の並列化をさらに進めた。具体的にはLU分解法から共役勾配法に置き換えた。 (2) 新しいアルゴリズムの提案と検証 GpicMHDでは、場の量として静電ポテンシャルと縦磁場方向のベクトルポテンシャルの成分を計算している。従来の方法では、電荷密度と電流密度からこれらの場の量を計算していたが、粒子の離散性によるノイズの原因でもあった。新しく提案したアルゴリズムでは、渦方程式と磁力線方向の一般化オームの法則よりこれらの場の量を計算する。このため粒子の情報は主に2次のモーメントの評価(圧力項)にのみ用いられる1ことになりノイズが劇的に減少した。まだこの変更により計算可能なパラメータ領域を実際のトカマク実験と同等の高ベータ・大規模領域まで広げることができた。 (3) トロイダル版のアルゴリズムの検討 トロイダル版GpicMHD作成のための基礎方程式・アルゴリズムの検討・議論を行った。
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