2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波加熱型高輝度リチウムビームの引き出し実証実験
Project/Area Number |
20560768
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
井口 春和 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (40115522)
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Keywords | リチウムビーム / プラズマ計測 / マイクロ波加熱 / イオン源 / イオンソース / 周辺プラズマ / ベータ・ユークリプタイト / 中性粒子ビーム |
Research Abstract |
近年中性リチウムビームが、磁場閉じ込め核融合研究においての周辺プラズマ計測の手段として有効であることが再認識されるようになった。実際、米国のDIII-Dトカマクや日本原子力研究開発機構のJT60-Uトカマクにおいて、電子ビーム加熱型のリチウムイオン源から引き出した10-30kV/数mAレベルのビームを用いて周辺圧力駆動電流分布測定やELM現象にからむ密度分布の時間変化測定に応用され、成果を上げた。 本研究の目的は固体イオンソースのマイクロ波加熱という新しい方法による高輝度リチウムビーム源を開発し、上記のようなビーム利用計測の応用範囲を拡大することを目指している。今年度は、これまでの実験および検討から、引出電位配分を大幅に変えることが必要と判断した。そこで引き出し電極部において高い電界強度を与えるため、電極電位を負極にするべく、新たな高電圧負電源(-10kV/30mA)を購入した。これは加熱用NBIイオンソースの構造に近いもので、電子の逆流を抑止する役割も受け持つもので、従来の小電流イオンソースでは必要とならなかった。新しい電位構造の設計を取り込んで、かつ当初目標の1,500℃のイオンソース運転に耐えうる耐熱構造をもつイオン源を設計製作した。イオンソース部はポーラスタングステン円板から、無垢のタングステン円板表面にタングステンメッシュを多層に圧着するものに改造し、実質的なリチウムベータユークリプタイトの表面積を大きくするように変更した。これらの設計及び方針転換により、実際の引出実証実験は次年度(最終年度)にずれ込むことになった。
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