2008 Fiscal Year Annual Research Report
仮想物点形成による高縮小率加速レンズ系の構築に関する研究
Project/Area Number |
20560779
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
石井 保行 Japan Atomic Energy Agency, 高崎量子応用研究所放射線高度利用施設部, 研究副主幹 (00343905)
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Keywords | 加速レンズ / 小型ガスイオンナノビーム形成装置 / 二段加速レンズ系 / 平行ビーム加速電極 |
Research Abstract |
本研究の全体構想は、加速レンズにより高縮小率2000以上で、keV〜MeVエネルギー領域まで適応可能な超小型ガスイオンナノビーム形成装置を開発することである。本研究においては二段加速レンズ系の超高縮小率化を行い、この縮小率を保持したままで高エネルギー化が可能なイオン光学的な解を求める。更に、超高縮小率化した二段加速レンズ系を構築し、その有効性を100keV、H2+を用いてナノビーム形成を行い実証する。 H20年度では、1.計算コードの整備として、電子ビームの静電レンズ用に開発された計算コードを改良し、加速管まで計算可能な拡張を行った。これにより、加速管のレンズとしてのパラメータである焦点距離、倍率、球面・色収差の計算ができる様になった。この計算コードの拡張により、計算可能な加速レンズの対象を広げることができた。 2.加速管の詳細な検討として1.の計算コードを用いて、加速管のレンズ作用に関する検討を行い、本研究で使用する加速管の設計を行うことができた。これにより高エネルギー化した小型ガスイオンナノビーム形成装置の開発の実現に近付くことができた。 3.入射レンズ系の研究と設計として、種々な入射レンズ系の電極の形状と、これに伴う電場計算を市販の計算コードで行った。この電場計算の結果を基に、物点を遠方の仮想点に移し、加えてこの点で小径化を可能とするための入射レンズ系として平行ビーム加速電極の設計を行った。更に、この入射レンズ系と二段加速レンズ系とを組み合わせて、MeV領域の集束ガスイオンナノビームの形成を可能とする縮小率が2000の高縮小率レンズ系の構築を行った。実際に、この入射レンズ系の製作し、二段加速レンズ系との接続を行い、入射レンズ系及び高縮小率レンズ系の評価を行うための実験の準備を進めた。 これらの今年度の研究開発により、次年度に実施するナノビーム形成実験の準備を整えることができた。
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