2009 Fiscal Year Annual Research Report
仮想物点形成による高縮小率レンズ系の構築に関する研究
Project/Area Number |
20560779
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
石井 保行 Japan Atomic Energy Agency, 放射線高度利用施設部, 研究副主幹 (00343905)
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Keywords | 加速レンズ / 超小型ガスイオンナノビーム形成装置 / 高縮小率 |
Research Abstract |
本研究の全体構想は、加速レンズを用いて高縮小率2000で、keV~MeVエネルギー領域まで適応可能な超小型ガスイオンナノビーム形成装置を開発することである。本研究に於いては二段加速レンズ系の超高縮小率化を行い、この縮小率を保持したままで高エネルギー化が可能なイオン光学的な解を求める。更に、超高縮小率化した二段加速レンズ系を構築し、その有効性を100keV、H_2^+を用いてナノビーム形成を行い実証することである。H21年度では、昨年開発した入射レンズ系を用いて、このレンズ系を評価するため、ビーム電流、エミッタンスと輝度、及び発散角の測定を行い、入射レンズ系の改良を行った。この改良によりアノード直接引き出し型の入射レンズ系を構築することにより、300eV程度の低エネルギーで、10^<-3>radオーダーの小発散角のビームを発生することができた。これにより二段加速レンズ系の入射ビームに適したものを発生することができた。更にこのビーム二段加速レンズ系に入射し、集束ビームの形成及びビーム径の評価を行った。予備的な実験ながら数10keVの水素イオンビームにより、160nmレベルの集束ビームを形成することができた。このビーム径はこれまでの最小値と同じであるが、この時の縮小率は約1250であり、これまでの縮小率より約1.2大きな値である。これにより入射レンズ系の改良が有効性を示すことができた。今後、形成装置全体の電圧の最適化を行うことにより、更なるビーム径の縮小化が期待される。
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