2009 Fiscal Year Annual Research Report
Pd合金触媒を用いたジメチルエーテルからの高純度水素製造プロセスの技術開発
Project/Area Number |
20560781
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩佐 信弘 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (30223374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川部 雅英 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40125323)
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Keywords | 水素 / 触媒・化学プロセス / 燃料電池 / ジメチルエーテル / 水蒸気改質 / PdZn合金 |
Research Abstract |
ジメチルエーテルから高純度の水素を製造する触媒プロセスの開発を行い、以下の結果を得た。 1)前年度までの研究において、ジメチルエーテルの水蒸気改質の第一段階の反応であるエーテルの加水分解反応に対して最も高い活性を示すことが明らかになったAl_2O_3にPdZn合金を担持した触媒を調製して、エーテルの水蒸気改質の特性評価を行った。触媒の調製方法やAl_2O_3の含有量の影響について種々検討した結果、硝酸パラジウムと硝酸亜鉛を原料として共沈法により調製したPdZn合金をAl_2O_3の含有量が90wt%となるように混練した触媒が、最も高い活性および選択性を示すことを明らかにした。 2)上記の触媒を用いて反応温度の影響について検討した結果、反応温度を上げると転化率が増加するだけでなく、水蒸気改質の選択率が向上することを明らかにした。反応温度400℃では、転化率100%、選択率も90%以上の値が得られ、水素が高効率で製造出来ることが分かった。 3)このPdZn合金触媒とエーテルの水蒸気改質に有効であるとされているCu系触媒との性能の比較を行った。PdZn合金触媒は、400℃においても安定した活性を示し、上述のように高い転化率および選択率を与える。一方、Cu系触媒は、初期活性がPdZn触媒よりも低く、さらに時間とともに活性が低下すること、また水蒸気改質の選択率も低く、副反応により一酸化炭素やメタノールが生成することから、本研究で開発したPdZn合金触媒の優位性が確認された。
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Research Products
(2 results)