2008 Fiscal Year Annual Research Report
高乱流強度下における動的Captureability評価手法の開発
Project/Area Number |
20560783
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松下 大介 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (60284535)
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Keywords | 再生可能エネルギー / 風力 / 流体工学 |
Research Abstract |
風力発電において流入風の変動は,性能および風車寿命に大きく影響を与える重要な因子である.特に小型風車においては風速の変化に対する回転数変化や風向変化に対する風車姿勢変化が,大型風車に比べて極めて短時間で生じること,また一般に設置高さが大型に比べて低いために地形や周囲障害物等の影響を強く受けることが知られている,小型風車の性能は大型との比較が困難であるために,流入風エネルギーをもとにしたCaptureabilityによる評価が提案されているが,風向に対する風車姿勢のずれ(ヨーエラー)については国際標準文書であるIECにも国内JISにも評価項目がないのが現状である.そこで本課題では,小型風車サイトにおいて高速サンプリングによる風向計測システムを構築して性能試験を実施し,自然風況下における風速および風向の変化に対する風車性能を詳細に計測することで,時間平均評価であるCaptureabilityを時間変動および風向にも発展させることを目的とし,以下の知見を得た.(1)高応答性の小型風車においては風向と風車姿勢の大きなずれによる性能低下は,年平均風速が比較的低いサイトでの発生頻度はそれほど高くないため平均値による性能評価における影響は小さい.(2)高風速域における急激な風向変化においてヨーエラーが生じ風車が失速状態になった場合の性能低下は,出力低下の時間積分値として評価すべきである.(3)高速サンプリングにおける風車流入風の評価はIECによる大型と同様の手法では精度が低く,高精度な風向および風速計測が必要である.本年度の計画は計測装置製作およびシステム構築が主であり,実験結果による知見をもとに高応答性風車性能計測システムを構築し,より高風速サイト設置のための準備を行った.
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