2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570004
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中越 英樹 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (50314662)
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Keywords | 金属代謝 / 酸塩基平衡 / 細胞間情報伝達 / Rho GTPase / プロトンポンプ / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
ショウジョウバエ中腸の銅吸収細胞(copper cell)は明確な細胞極性を持つ。腸管内腔側(アピカル面)はフラスコ状に陥入し,表面はアクチン束からなる微絨毛で覆われている。Rho fcmily GIPaseはアクチン細胞骨狢や細胞内極性の制御に関わる重要な因子であるため,優性阻害型(ドミナントネガティブ型)Rho GTPaseを細胞種特異的に誘導し,腸管機能への影響を調べたところ,銅吸収機能にはDcdc42の活性が問質細胞で要求され,酸分泌機能にはRho1の活性が問質細胞で要求されることが明らかとなった。銅吸収機能の獲得に必要なNotchシグナルとDcdc42の上下関係を調べた結果,Dcdc42が下流に存在し,Dcdc42の適切な活性レベルが機能獲得に重要である可能性が示唆された。また,銅吸収細胞において発現する遺伝子スクリーニングの結果,プロトンポンプV-ATPaseのサプユニットをコードするvha16遺伝子に注目し,vha16::GFP発現系統,vha16-dsRNA発現系統を樹立した。vha16-dsRANを細胞種特異的に発現させて遺伝子機能阻害を行った結果,vha16活性は,酸分泌機能には銅吸収細胞と問質細胞の両方で必要であり,吸収機能のためには銅吸取細胞で必要であった。この結果は,V-ATPaseが銅吸収細胞アピカル面の微絨毛に集積してプロトンポンプとして機能する以外にも,エンドソーム経路などを介して腸管の機能制御に深く関わっていることを示している。
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