2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570004
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中越 英樹 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (50314662)
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Keywords | ショウジョウバエ / 腸管 / アイソフォーム / 機能分化 / 金属イオン |
Research Abstract |
ショウジョウバエdefective proventriculus (dve)遺伝子からは,dve-A (4.9kb)とdve-B (3.5kb)の2種類のmRNAが転写される.Dve-A, Dve-Bタンパク質は共通してコンパスドメイン(CMP)と2つのホメオドメイン(HD)を有しており,Dve-Aにのみヒスチジンとグルタミンに富んだ領域(HQ)が存在する.dve-A欠失変異体(dve^<E131>)およびRNA干渉(RNAi)を用いて,それぞれの発現パターンと腸管機能分化における要求性を調べた。 胚期の前胃予定領域ではDve-B, 中腸予定領域ではDve-Aがそれぞれ発現していた.1齢幼虫期になると,前胃ではDve-A, 中腸間質細胞ではDve-B発現(dve-Bのエンハンサー活性を皮映するdve^1-lacZ発現)への変換が認められた.興味深いことに中腸の銅吸収細胞(copper cell)では1齢幼虫への孵化前後にDveタンパク質発現は一時的に抑制され,再び発現の回復が見られた.このcopper cellではdue^1-lacZ発現(dve-B活性)は検出されないことから,幼虫期に検出されるDveタンパク質はDve-Aであると考えられる.また,dve-A欠失変異体ではcopper cellにおいてdve^1-lacZが異所発現することから,中腸copper cellではdve-B発現への変換がDve-Aによって積極的に抑制されていることが明らかとなった。時期特異的なRNAi誘導実験から,このdve-B発現抑制には胚期におけるDve-A活性が必要であること,胚期のDve-A活性は中腸機能獲得にも必要であることが明らかとなった。
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