2008 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母を用いた細胞内局在化RNAのゲノムワイドスクリーニング
Project/Area Number |
20570005
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安東 知子 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (20294548)
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Keywords | RNA / 局在化 / 分裂酵母 / ゲノムワイド / non -coding / 可視化 / スクリーニング / DNA 領域 |
Research Abstract |
遺伝情報は、遺伝子の本体であるDNAからRNAに写し取られて発現する。従って、RNAの細胞内局在化は、遺伝子発現を時空間的に制御するための重要な現象である。本研究は、細胞内で局在化するRNAを網羅的に探索し、局在化に必要なRNA配列や局在化機構を明らかにすることを目的とする。 遺伝学的解析が容易で、高等動物のモデル系として優れている分裂酵母を用い、本年度は新たに2,600個のランダムなRNAを可視化して観察し、細胞内で特異的な局在を示すRNAを探索した。その結果、現在までに核内にドット状に局在するRNA候補を4個、DNA領域特異的に局在するRNA候補を7個、細胞質にドット状に局在するRNA候補を1個、新たに取得した。 また、すでに取得していた局在化RNAのうち、DNA領域に局在する#1199について、その細胞内での機能を検証した。#1199の局在配列をゲノム上から欠失させた、#1199局在領域欠失株を作成したところ、野生型株と比べて通常の細胞増殖には影響がないことがわかった。また、#1199のゲノム上の前後の遺伝子のmRNAのレベルの発現量にも、#1199局在領域の欠失による変化は見られなかった。#1199の細胞内での機能については、今後様々な条件下で検証することが必要である。 これまでに、#1199のDNA領域への局在化には26塩基で十分であることを明らかにしている。本年度は新たに、#1199以外にもDNA領城に局在するRNA候補を複数得ることができた。これらのRNAについて局在化配列を決定することで、DNA領域へ局在化するためのコンセンサス配列を決定できると考えている。また、これらのRNAについて、DNA領域への局在化の意義についても検証する予定である。
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