2009 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母を用いた細胞内局在化RNAのゲノムワイドスクリーニング
Project/Area Number |
20570005
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Research Institution | Otsuma Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
竹内 知子 (安東 知子) Otsuma Women's University Junior College Division, 家政科, 准教授 (20294548)
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Keywords | RNA / 局在化 / 分裂酵母 / ゲノムワイド / non-codin / 可視化 / スクリーニング / DNA領域 |
Research Abstract |
遺伝情報は、遺伝子の本体であるDNAからRNAに写し取られて発現する。従って、RNAの細胞内局在化は、遺伝子発現を時空間的に制御するための重要な現象である。本研究は、細胞内で局在化するRNAを網羅的に探索し、局在化に必要なRNA配列や局在化機構を明らかにすることを目的とする。 遺伝学的解析が容易で、高等動物のモデル系として優れている分裂酵母を用い、本年度は新たに402個(累計4,202個)のランダムなRNAを可視化して観察し、細胞内で特異的な局在を示すRNAを探索した。その結果、核内にドット状に局在するRNA候補、DNA領域特異的に局在するRNA候補、細胞質にドット状に局在するRNA候補を、新たに取得した。 また、すでに取得していた局在化RNAのうち、DNA領域に局在するF958について、局在化に必要な配列を調べた。その結果、F958クローンに含まれていた配列のうち、タンパク質をコードしない175塩基のnon-coding領域に局在化に必要な配列が存在することが明らかになった。F958と同じくDNA領域に局在する#1199では、局在領域が26塩基であったが、F958の場合は、175塩基をさらに断片化すると、局在が極端に弱まることがわかった。したがって、これら2つのクローンは、異なる局在化配列を持つことが示唆された。また、F958の局在化領域は、細胞内で発現していることがRT-PCRにより確認された。今後は、F958が細胞内で局在化するメカニズムや、局在化の生理学的な意義を検証する予定である。
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