2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒメツリガネゴケを用いた葉緑体の遺伝子発現における転写後制御因子の研究
Project/Area Number |
20570033
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉田 護 Nagoya University, 遺伝子実験施設, 教授 (70154474)
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Keywords | 葉緑体 / ミトコンドリア / 転写後制御 / RNA編集 / PPRタンパク質 / ヒメツリガネゴケ / DYWドメイン / 遺伝子ノックアウト株 |
Research Abstract |
植物特有のオルガネラである葉緑体とミトコンドリアで働くペンタトリコペプチドリピート(PPR)タンパク質の機能を解明し、PPRタンパク質を介したオルガネラの転写後制御(RNA編集など)の分子機構の一端を明らかにする。今年度得られた主要な成果は次の通りである。 (1)葉緑体のRNA編集にDYWドメインをもつPPRタンパク質(PPR-DYWタンパク質)がトランス因子として働くことが知られていたが、ミトコンドリアのRNA編集にもPPR-DYWタンパク質が関与しているかは不明であった。そこで、PPR-DYWタンパク質であるミトコンドリア局在型PpPPR_71をコードする遺伝子を相同組み換えによりノックアウトした変異株を作製しそのRNA編集について解析した。その結果、PpPPR_71は11カ所のRNA編集部位のうちccmF-2部位のRNA編集のみに働くことを明らかにした。合成RNAと組換えPpPPR_71を用いたRNAゲルシフト解析を行ったところ、PpPPR_71が編集部位周辺に結合すること、およびその結合の強さはccmFc mRNAの編集状態によって異なることを明らかにした。これらの結果に基づいて、PpPPR_71タンパク質によるccmFc mRNAのRNA編集メカニズムのモデルを提唱した。 (2)葉緑体のclpP pre-mRNAの成熟過程におけるPpPPR_38の役割を詳細に明らかにするため、組換えPpPPR_38を作製しclpP pre-mRNAとの結合部位および結合様式について解析した。その結果、PpPPR_38がpre-mRNAのclpP-5'-rps12のintergenic regionに強く結合することを明らかにした。その他の解析結果と合わせて、clpP pre-mRNAの成熟過程におけるPpPPR_38の役割についてモデルを提唱した。
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[Journal Article] Cyanobacterial daily life with Kai-based circadian and diurnal genome-wide transcriptional control in Synechococcus elongatus.2009
Author(s)
Ito, H., Mutsuda, M., Murayama, Y., Tomita, J., Hosokawa, N., Terauchi, K., Sugita, C., Sugitg a_M., Kondo, T., Iwasaki, H.
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Journal Title
Proc. Nati. Acad. Sci. USA 106
Pages: 14168-14173
Peer Reviewed
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