2010 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物の細胞核の形作りとその機能を支える分子機構
Project/Area Number |
20570036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 謙太郎 京都大学, 理学研究科, 助教 (40378609)
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Keywords | 細胞核 / シロイヌナズナ / GFP / プロテオミクス / 突然変異体 |
Research Abstract |
高等植物の細胞核の形作りを担う分子機構を明らかにする目的で,モデル植物であるシロイヌナズナを用いて研究を行った 1. プロテオミクスによる細胞核の形成に必要なタンパク質の同定と解析 核膜孔複合体は核と細胞質の唯一の通り道で,タンパク質や核酸等の様々な物質の輸送を厳密に制御している巨大タンパク質複合体である.酵母や高等動物で核膜孔複合体の構成成分が詳細に知られているが,植物では不明であった.本年度は相互作用を利用したプロテオミクスを行い,シロイヌナズナの核膜孔複合体の構成タンパク質を明らかにした.その結果,シロイヌナズナの核膜孔複合体は約30種類のヌクレオポリンタンパク質から成り,その構造は酵母よりも高等動物に似ていることが分かった 2. 順遺伝学による細胞核の形状が異常になった変異体の単離と解析 順遺伝学の手法により,細胞核の形状および細胞内配置が異常になったシロイヌナズナkaku変異体を多数単離した.本年度はkaku1変異体の詳細な解析を行った.マップベースドクローニングを行ったところ,kaku1の原因遺伝子は細胞骨格関連タンパク質をコードしていた.ライブセルイメージングにより,kaku1変異体では核の細胞内運動が異常であることが分かった.以上の結果から,KAKU1は細胞骨格と協調して核の形状と運動に関与する因子であることが分かった
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