2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570040
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
永島 賢治 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 助教 (80264589)
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Keywords | 細菌 / 光合成 / 電子伝達 / 遺伝子操作 / チトクロム / ゲノム |
Research Abstract |
1.紅色光合成細菌Rubrivivax gelatinosusの光化学反応中心への電子供与体としてすでに同定されているHiPIP(鉄-イオウタンパク)、高電位(HP)及び低電位(LP)チトクロムc8,2ヘム型のチトクロムc4の4つに加え、新たにモノヘムのチトクロムcを見いだした。このチトクロムは高電位(HP)チトクロムc8と高い配列相同性を示したためiso-HPチトクロムc8と名付けた。このiso-HPチトクロムc8遺伝子を含む約10kbの領域の塩基配列を決定したところ,緑膿菌の亜硝酸還元酵素遺伝子群とほぼ同様の遺伝子群が保存されており,iso-HPチトクロムc8は本来亜硝酸還元酵素への電子供与体であるチトクロムc551あるいはNirMであることが示唆された. 2.R.gelatinosusのエネルギー代謝経路の全容を明らかにすべくゲノム解析を行った.全塩基配列は5,043,252塩基で約4,800の遺伝子座を含んでいた.水溶性チトクロムに関してはモノヘムのものがチトクロムc8の他に2つ,チトクロムc4に低い相同性を持つものが4つ存在することが見いだされ,本細菌のエネルギー代謝の複雑さや冗長性の高さがうかがえた. 3.銅タンパクであるオーラシアニンは緑色繊維状細菌において光合成反応中心に対する電子供与体と考えられている。このオーラシアニンをコードする遺伝子をRoseiflexus castenholziiからクローニングし大腸菌で発現させ大量精製することに成功した.しかしながらこれら精製オーラシアニンを紅色細菌およびR. castenholzii自身の光合成膜と混合し閃光照射実験を行ったところ,いずれも電子伝達は観察されなかった.
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