2010 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの表皮細胞分化におけるCPC LIKE MYB遺伝子の解析
Project/Area Number |
20570048
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
冨永 るみ 宮崎大学, IR推進機構, 助教 (20373334)
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Keywords | シロイヌナズナ / MYB遺伝子 / 根毛形成 / CPC / ETC2 / TRY / 細胞間移行 / タンパク質分解 |
Research Abstract |
シロイヌナズナの根毛形成を誘導するMyb遺伝子CPCには、4つのホモログがあり、根毛形成において協調的な機能を持つ。しかし、非根毛細胞から根毛細胞へ移行して働くCPCと異なり、他の4つのホモログの遺伝子産物は移行しない。また、GFPとの融合タンパク質の観察により、ホモログの中でTRYとETC2タンパク質が非常に早く分解することが示唆された。これらのタンパク質の移行や分解の機構を明らかにすることは重要であると考え、平成22年度は以下の実験を行った。 シロイヌナズナのMYB転写因子であるCPCファミリー遺伝子の表皮細胞分化制御機構を明らかにするため、C末端部位について改変したCPCファミリー遺伝子のコンストラクトを作成した。CPCプロモーターの下流に、ETC1遺伝子とTRY遺伝子のC末端部位(約20アミノ酸に相当)を並列に繋いだコンストラクトを作成し、シロイヌナズナのcpc-2突然変異体に形質転換した。カナマイシン耐性により選抜した形質転換体T3世代のうち、ホモラインについて根の表現型を観察した。その結果、根毛数が野生型(col)に比べてかなり増加していることを明らかにした。 また、CPCプロモーターの下流に、TRY遺伝子のC末端部位(約20アミノ酸に相当)を取り除いた配列を繋いだコンストラクトをシロイヌナズナのcpc-2突然変異体に形質転換し、カナマイシン耐性により選抜した。形質転換体T3世代のうち、ホモラインについて根の表現型を観察した。その結果、C末端部位を除いたTRYタンパク質にも、強い根毛形成促進作用があることを明らかにした。 以上のように、TRYのC末端配列に、期待したような根毛形成阻害作用見られなかったが、TRYの機能やタンパク質の寿命に影響していることを示唆するデータを得た。
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