2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570049
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山口 信次郎 The Institute of Physical and Chemical Research, 促進制御研究チーム, チームリーダー (10332298)
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Keywords | 種子発芽 / シロイヌナズナ / フィトクロム / 植物ホルモン |
Research Abstract |
シロイヌナズナのフィトクロム結合タンパク質であるPHYTOCHROME INTERACTING FACTOR 3-LIKE 5(PIL5)は、bHLH型転写因子として光依存的な種子発芽を制御する。PIL5は暗所で安定であり、発芽に抑制的に働くが、フィトクロムを活性化するような光照射によって分解され、発芽抑制が解除される。本年度は、PIL5によって制御される遺伝子群をジーンチップ(Chip)解析によって同定するとともに、PIL5の直接の標的遺伝子をクロマチン免疫沈降法(ChIP)およびChIP-Chip解析により同定した。その結果、フィトクロムB依存的に赤色光で誘導・抑制される遺伝子群のほとんどが、PIL5を介して制御されることが明らかになった。さらに、C3Hタンパク質であるSOMNUS(SOM)はPIL5の直接の標的遺伝子の一つであり、ジベレリンやアブシジン酸の生合成・代謝酵素遺伝子はSOMを介して制御されること、またジベレリン・アブシジン酸以外のいくつかの植物ホルモン関連遺伝子がPIL5によって直接的に制御されることが示された。これと並行して、光発芽時のPIL5依存的なホルモン動態の変化を明らかにするため、質量分析装置によるホルモン定量分析を行なった。また、発芽能が低下した新規ジベレリン欠損変異体gsd1における活性型ジベレリン量低下のメカニズムを明らかにするため、ジベレリン代謝(不活性化)産物の動態解析を行なった。
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