2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸性土壌耐性必須転写因子STOP1が制御する遺伝子の特定
Project/Area Number |
20570052
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
井内 聖 独立行政法人理化学研究所, 実験植物開発室, 専任研究員 (90312256)
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Keywords | STOP1 / 酸性土壌 / ジンク・フィンガータンパク質 / マイクロアレー |
Research Abstract |
近年、土壌が酸性化し作物の収量が低下している。土壌の酸性化は、植物が利用可能な様々なミネラルイオンの量を変化させ生育に悪影響を与えるマルチストレスである。これらの変化の中でアルミニウムイオン(Al3+)の増加がもっとも大きな生育阻害要因とされている。一方、土壌pHの低下そのもの、つまり過剰なプロトンも植物の成長を阻害することが知られていた。しかし、これまで分子レベルでの高等植物の低pHストレス応答についてほとんど知見が得られていなかったが、実施者らは本研究課題が採択されるまでに世界ではじめて低pHストレスおよびAl3+ストレス耐性の両方を制御している鍵遺伝子である酸性土壌耐性必須因子STOP1を同定した(Iuchi et al. 2007 PNAS 104, 9900)。本研究課題では、C2-H2タイプのジンク・フィンガータンパク質であるSTOP1によって制御される低pHストレスあるいはAl3+ストレス耐性に重要な因子の同定を行うことによって、酸性土壌耐性の分子機構の解明を行うことを目的に本研究課題を実施している。 2008(平成20)年度は、STOP1によって制御される下流因子の同定を行うために、遺伝子発現を網羅的に解析できるマイクロアレー解析技術を用いてSTOP1変異体と野生株で遺伝子発現レベルの異なる遺伝子群の同定を試みた。その結果、STOP1変異体で野生株に比べ遺伝子発現レベルの減少する遺伝子群を同定した。この遺伝子群の中には、Al3+ストレス耐性に関わるリンゴ酸トランスポーター遺伝子(AtALMT1)が含まれていたことから、今回同定した遺伝子群は、低pHストレスあるいはAl3+ストレス耐性に関わる因子が含まれていると考えている。
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Research Products
(2 results)