2008 Fiscal Year Annual Research Report
有羊膜類の性分化における脳と生殖線の相互関係の解析
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20570053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朴 民根 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (00228694)
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Keywords | 性決定 / 性分化 / 内分泌 / 外温性動物 / 爬虫類 / 有羊膜類動物 / 脳・神経 / 温度 |
Research Abstract |
本研究は、ヒョウモントカゲモドキとニワ.トリを用いて、有羊膜類の性分化における脳と生殖腺の従属性と自律性のメカニズムを解明することを目的として開始した。 本年度では有鱗目爬虫類に属し孵卵時の温度によって性が決定されるヒョウモントカゲモドキーを用いた研究から、性分化初期の脳で雄の多く生まれる温度ではP450sccの発現が高くなり、P450aromの発現は温度に比例して高くなることを明らかにし、発表した。この時期での生殖線はまだ機能的な性分化が完了していないので、性決定因子である孵卵時の温度によるこれら遺伝子発現の性差は生殖線に依存しない脳の性決定機構が存在していることを強く示唆するものである。一方、温度感受期における生殖線でのDMRT-1の発現を調べ、孵卵温度による発現量を調べた。結果、オスの多く生まれる温度でDMRT-1の発現も高くなる傾向を見つけ出した。最も雄が多く生まれる温度でも80%ほどのみがオスになることから、今後個体数を更に増やして詳しく解析する必要がある。 ニワトリでも生殖線が機能的に性分化する時期(孵卵6.5日)以前で性決定に重要な役割をしているSF-1の発現をin situ hybridizationで詳しく解析するとともに、DAPIで細胞核を染めて細胞核の分布と比較解析を行った。 その結果、視床下部広い範囲にSF-1が発現しており、発生とともにその発現部位が広がることも確認した。今後、細胞増殖や移動など脳の器官形成に重要な指標も同時に解析し、SF-1の機能を究明していく予定である。 一方、本研究で重要な研究対象となるヒョウモントカゲモドキを有鱗目動物の実験動物として確立するため、その管理方法の改善と確立も行った。今年度は飼育ケージや栄養補助剤など新たに改善させ、動物の健康状態は大きく改善させた。しかし、本研究で必要となる受精卵を多く獲得するために必要な産卵率の改善は十分得られなかった。今後、飼育温度管理での改善策も調べて対応していく予定である。
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