2008 Fiscal Year Annual Research Report
ハプト藻の円石形成機構の解明 〜cDNAマクロアレイを用いて〜
Project/Area Number |
20570059
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
藤原 祥子 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 准教授 (30266895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都筑 幹夫 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70155430)
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Keywords | 石灰化 / マクロアレイ / ハプト藻 / 円石藻 / バイオミネラリゼーション |
Research Abstract |
円石藻は、細胞表面に石灰化された鱗片である円石を持つ海産性の藻類である。本研究ではPleurochrysis haptonemoferaを用い、石灰化に使われるCa2+やMg2+、HCO3-の濃度やその他の主要な必須元素であるPやNの濃度が、石灰化へどのような影響をもたらすかを検討した。具体的には、脱灰した細胞をCa2+、Mg2+、NaHCO3、P、N濃度を変化させた培地で再石灰化させ、石灰化への影響をフローサイトメトリーと細胞外Caの定量により調べた。また同時に、円石に含まれる酸性多糖への影響をNative-PAGEにより、遺伝子及びタンパク質への影響をcDNAマクロアレイ及び2次元電気泳動により、それぞれ検討した。その結果、円石形成速度はCa2+、Mg2+、NaHCO3濃度に対して依存性を示すが、いずれも過剰に存在すると石灰化の阻害がみられることが明らかになった(至適濃度はCa2+10mM、Mg2+50mM、NaHCO3 10mM。NaHCO3では20mM以上で阻害がみられた)。このときのmRNA量の変動をcDNAマクロアレイにより調べたところ、Ca濃度によってcarbonic anhydraseやZn結合性タンパク質などのmRNA量が変動することがわかった。また、低Ca高Mg条件下では円石の形態に異常がみられるが、このとき円石中のMg/Ca比が非常に高くなると同時に、酸性多糖(Ph-PS-1,2,3)の量比もコントロール(低Ca通常Mg条件)と比較して変化すること、タンパク質にも変動するものがあることが明らかになった。現在、これらの条件下でのメタボローム解析を検討中である。
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Research Products
(7 results)