2008 Fiscal Year Annual Research Report
多様な色素体分化に関連する遺伝子の機能予測をめざしたモルフォローム解析
Project/Area Number |
20570061
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
永田 典子 Japan Women's University, 理学部, 准教授 (40311352)
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Keywords | 色素体 / 分化 / オルガネラ / 網羅的解析 / 電子顕微鏡 / シロイヌナズナ / トマト |
Research Abstract |
植物の豊かな細胞分化を支えるのに、多大な貢献をしているのが「色素体」の存在である。そこで、モデル植物を用いて、生活環全体を通じて多くの組織・細胞群で種々に分化した色素体の形態を電子顕微鏡学的に網羅的に解析し、「色素体分化地図」を作成することを目的とした。将来的には、変異体と野生型の色素体形態とを詳細に比較することにより、葉緑体以外の色素体形成に貢献する遺伝子機能の予測と情報を蓄積すると共に、モルフォローム解析の有用性を示すことができる。 平成20年度は、以下に示す(1)〜(3)の3つのステージにおいて、大まかな色素体分化地図を完成させることができた。通常の化学固定と並行して、加圧凍結固定や過マンガン酸カリ固定等の複数の固定法、並びに、固定濃度・時間・温度・樹脂包埋剤などの最適化を行い、詳細な透過電子顕微鏡観察を行った。 (1)生殖細胞形成過程 高等植物の生殖細胞は、胚珠・葯ともに大量の栄養細胞に幾重にも取り囲まれており、さらにほんのわずかな時間で刻々と色素体の分化形態が変化する点でも、細胞形態学的解析に最適な特異なステージであるといえる。平成20年度においては、この雄性配偶体に関わる色素体分化地図をほぼ完成させることができた。 (2)胚発生から種子発芽過程 種子内には、発芽後の根・胚軸・子葉・茎頂にあたる組織が存在しているが、これまで固定の難しさから種子中の色素体を組織別に詳細に観察した報告はない。私は種々の固定法を検討した結果、良好な電子顕微鏡像を得ることに成功した。未熟種子から発芽後数日の時期に至るまで、茎頂付近の詳細な色素体構造と分布を示すことができた。 (3)果実成熟過程 ナス科植物のモデル植物として最近注目されているトマト(マイクロトム)を用いて、果実成熟過程における葉緑体からクロモプラスト分化の観察を行った。
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[Journal Article] An Arabidopsis homolog of the bacterial peptidoglycan synthesis enzyme MurE has an essential role in chloroplast development.2008
Author(s)
Garcia, M, Myouga, F, Takechi, K, Sato, H, Nabeshima, K, Nagata, N, Takio, S, Shinozaki, K, Takano, H
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Journal Title
Plant Journal 53
Pages: 924-934
Peer Reviewed
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