2009 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド作動性ナトリウムチャネルの機能発現に関わる分子機構に関する研究
Project/Area Number |
20570071
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古川 康雄 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 教授 (40209169)
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Keywords | イオンチャネル / ペプチド / 構造機能相関 |
Research Abstract |
本研究課題では、動物の神経系に存在する最も多種多様な情報伝達分子であるペプチドによる神経情報伝達を分子レベルで理解するための研究の一環として、ペプチド作動性ナトリウムチャネルであるIFMRFamide作動性Na^+チャネルの機能発現に関わる分子機構を明らかにすることを目的としている。本年度に進めた研究は以下の通りである。 [1] 552位のアミノ酸側鎖の物理化学的性質がチャネル機能に及ぼす影響の解析 新たな552位点変異体チャネルを作成し、これまでに作成していたチャネルとともに、アフリカツメガエル卵細胞をチャネルの発現系として、微小電極法およびカットーオープンオオーサイト法による詳細なチャネル電流解析を行った。これらの研究成果の一部を、国内学会及び国際学会にて発表し、また原著論文としても公表した。さらに、552位にシステインを導入した点変異体チャネルにおいて、種々のSH修飾剤を用いることで、この部位の側鎖の物理化学的性質を変化させることにより、チャネル機能にどのような影響があらわれるかを検討した。 計画[1]に多くの時間を要したため、予定していた計画[2]、[3]は予備的実験のみおこなった。 [2] 細胞外液瞬間交換法によるチャネル活性化のキネティクス解析 本方法を適用する細胞系である哺乳類培養細胞にFMRFamide作動性Na^+チャネルを発現させるためのベクターの構築をおこなった。 [3] FMRFamide作動性Na^+チャネルの単一チャネル解析 アフリカツメガエル卵においてFMRFamide作動性Na^+チャネルの単一チャネル解析を行うために、条件設定に必要な予備的検討を行った。
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