2010 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド作動性ナトリウムチャネルの機能発現に関わる分子機構に関する研究
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20570071
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古川 康雄 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (40209169)
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Keywords | イオンチャネル / ペプチド / 構造機能相関 |
Research Abstract |
これまでの研究により、FMRFamide作動性Na^+チャネルの552位アミノ酸部位がチャネルポア外縁部にあり、アミノ酸側鎖がチャネルポア内面を向いていることが明らかにされ、552位のアミノ酸側鎖の物理化学的性質によってチャネルのゲート機構が変化することが示されている(Kodani & Furukawa, Zool Sci, 2010)。本年度は、これらの成果をさらに進展させるための研究を展開し、次のような成果を得た。 1.アフリカツメガエル卵をチャネルの発現系として、カットオープンオオーサイト法を用いた膜電位ジャンプ法により、細胞内外の透過および非透過イオンがチャネルの活性化やコンダクタンスに対する影響を明らかにした(第81回動物学会大会で発表)。 2.552位アミノ酸の点変異体の一つであるD552C変異体を用いて、その側さの物理化学的性質を変化させるシステイン修飾剤を作用させることによるチャネル機能の変化を解析し、552位のアミノ酸側鎖がチャネル機能におよぼす効果を検討した(第32回比較生理生化学会大会、第81回動物学会大会で発表)。 3.チャネル活性化、脱感作のキネティクス解析をより高時間分解能で解析するため必要な恒常的にFMRFamide作動性Na^+チャネルを発現する哺乳類培養細胞の構築を試み、安定してFMRFamide作動性Na^+チャネルを発現する細胞株を確立できた。 現在、これらの研究成果を公表するための原著論文を作成中である。
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