2009 Fiscal Year Annual Research Report
副甲状腺Ca感知におけるDAGリパーゼからリポキシゲナーゼへの情報伝達
Project/Area Number |
20570073
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岡田 幸雄 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60136687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤山 理恵 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10274664)
佛坂 斉祉 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (90199513)
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Keywords | 副甲状 / アラキドン酸 / Ca^<2+> / パッチクランプ / ウシガエル / イオンチャネル / 情報伝達 / Gタンパク質 |
Research Abstract |
哺乳類副甲状腺(上皮小体)細胞の細胞膜にはCa^<2+>受容体(CaR)が発現しており,この細胞は血漿Ca^<2+>濃度変化を直接検出しながら上皮小体ホルモン(PTH)分泌量を変化させる。カエル副甲状腺においても同様な機序が働いているかについて解析した。ウシガエル副甲状腺を摘出し,酵素処理により単離副甲状腺細胞を得た。細胞外液のCa^<2+>濃度を静止時の1.8mMからそれ以上に増加させると,副甲状腺細胞はCa^<2+>濃度に依存した内向き電流を示す。この電流は,脱分極性ステップパルスにより時間に依存してゆっくりと活性化し,強い外向き整流性を示し,再分極により顕著なテール電流を発生し,Ca^<2+>活性化Cl電流であることを示唆する。この細胞外Ca^<2+>誘発電流は100μM Niflumic acid,20,μM ETYA及び20μM Baicaleinによって有意に抑制される。今回は,電極内液に50μMアラキドン酸を加えて膜を破り全細胞記録により,誘発される電流応答を解析した。この方法で細胞内にアラキドン酸を灌流すると,数分間の潜時の後ゆっくりと増大する内向き電流が発生した。このアラキドン酸誘発電流は細胞外Ca^<2+>誘発電流と同様に,脱分極性ステップパルスにより時間に依存してゆっくりと活性化し,強い外向き整流性を示し,再分極により顕著なテール電流を発生し,Ca^<2+>活性化Cl電流であると考えられる。アラキドン酸誘発電流も100μM Niflumic acid,20μM ETYA及び20μM Baicaleinによって有意に抑制された。以上の結果より細胞外Ca^<2+>は副甲状腺の細胞内でアラキドン酸を産生させ,アラキドン酸のリポキシゲナーゼによる代謝産物が細胞内Ca^<2+>濃度を上昇させると結論される。次年度はリポキシゲナーゼ代謝産物,例えば12(S)-HpETEや15(S)-HETEなどの細胞内灌流の効果を解析する。
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