2009 Fiscal Year Annual Research Report
スーパー系統樹解析によるショウジョウバエ属の系統推定と分類体系の改訂
Project/Area Number |
20570080
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
胡 耀光 Hokkaido University, 低温科学研究所, 研究員 (20466436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 正憲 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40113592)
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Keywords | ショウジョウバエ / 分子系統 / 分類学 / 分類体系 / 生物地理学 / 国際研究者交流 / 中国:インドネシア:マレーシア |
Research Abstract |
1トゲアシショウジョウバエ(Zaprionus)属群とその近縁群であるオオショウジョウバエ(Drosophila immigrans)種群を中心に分子系統解析を行い,それぞれの分類群(Zaprionus属群,Zaprionus属,Phorticella属,immigrans種群)が多系統群であることを明らかにするとともに,従来から指摘されていたショウジョウバエ(Drosophila)属の側系統性を再確認した.これらの情報は,ショウジョウバエ科全体の系統分類体系の見直しを行う上で非常に重要である. 2ショウジョウバエ科全体にわたる系統解析と分類体系の改訂を行うために,前年度に中国南部から採集したサンプルを精査して,合計16属103種(未記載の新種32種を含む)1175個体を同定し,分子および形態による系統分類学的研究の材料を準備した. 3シマショウジョウバエ亜属の中で,キイロショウジョウバエ種群と姉妹群の関係にあり,多くの研究者がさまざまな視点から集中的に研究した,モデル生物群の1つであるウスグロショウジョウバエ(Drosophila obscura)種群(3新種)を,東南アジア熱帯(キナバル山,マレーシア・サバ州)から初めて発見し,記載した.その内の1種Drosophila hypercephala Gao & Todaが示す頭部形態の性的二型(hypercephaly)は,ショウジョウバエ属からの新発見である.分子系統解析の結果,本種はアフリカ(ケニア)高山から記録された種との類縁が示唆され,ウスグロショウジョウバエ種群の起源を推定する上で大変興味深い.
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