2010 Fiscal Year Annual Research Report
維管束植物の複葉と葉の起源の分子遺伝学的基盤の研究
Project/Area Number |
20570083
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上原 浩一 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (20221799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三位 正洋 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (30093074)
塚谷 裕一 東京大学, 理学系研究科, 教授 (90260512)
伊藤 元己 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (00193524)
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Keywords | 遺伝子 / 植物 / 進化 / KNOX / LEAFY / 葉 |
Research Abstract |
本研究は葉の形態形成で重要な役割を持ち,植物において普遍的な機能を司るKNOX遺伝子,LEAFY相同遺伝子に着目し,維管束植物の大葉形成の制御機構の進化について特に単葉と複葉の形態制御の面から明らかにする事を目的とする.研究代表者らのリアルタイムPCRを用いた解析の結果シダ植物ではLFY相同遺伝子により制御されていることがわかってきた.そこでシダ植物の葉形態形成におけるこれらの遺伝子の過剰発現トランスジェニック植物の作出し,RNA干渉をもちいた発現抑制を行い形成される葉の形態を確認,シダ植物の単葉・複葉の形態形成における葉形態形成機能を特定することを目的とした.本研究を遂行するにあたりKNOX,LFYのシダ植物における機能を明らかにする必要がある.しかし,シダ植物の形質転換系は未だ有効な系が確立されていない.シダ植物の形質転換系の確立は本研究テーマのみならず,植物の進化や分子遺伝学の発展に大きな恩恵をもたらすと考えられる.そこで本研究ではシダ植物リュウキュウトリノスシダをもちいて形質転換系を確立することを目指した.まず,アグロバクテリウを用いた形質転換系の確立を試みたが現在までのところ有効な形質転換系は確立出来ていない.そこで、エレクトロポレーション法による形質転換系の確立も試みた.その結果,展開前の若い葉を用いてカルスの作成に成功した。つぎにカルスと無菌植物体からのプロトプラスト形成,プロトプラストからのカルス形成,再分化に成功した.しかし、形質転換系の確立にはまだ至っていない。これからもアグロバクテリウムおよび、エレクトロポレーションの両方から形質転換系の確立を進め、単葉と複葉の形態制御を明らかにしたい。
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