2008 Fiscal Year Annual Research Report
トケイソウ亜目における種皮の解剖学とその進化の解明
Project/Area Number |
20570086
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
徳岡 徹 Shizuoka University, 理学部, 准教授 (90303792)
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Keywords | トケイソウ亜目 / 系統 / 分類 / 種皮 / 形質進化 / トケイソウ科 / スミレ科 / クリソバラヌス科 |
Research Abstract |
本年度はトケイソウ亜目に含まれる科のうち、トケイソウ科およびスミレ科の種皮の解剖学的研究を行った。トケイソウ科32属のうち20属、スミレ科23属のうち14属の材料について、種皮のパラフィン切片を作製し観察を行った。その結果、内種皮外層に繊維状のもの、柵状のものを観察した。また、外種皮外層の構造も科内に変異が見られた。さらに、仮種衣の有無についても観察を行った。これらの詳細な観察結果の解析や、これまでの分子系統学的研究の結果との整合性をとること等を現在行っている。 また、トケイソウ亜目の外群となるクリソバラヌス科の科内における属間系統解析を行った。広義クリソバラヌス科に含まれる20属36種の材料を用い、rbcL (1331bp), atpB (1469bp), matK (1485bp; aligned), 18S rDNA (1736bp)の塩基配列を解析し、最節約法で系統解析した。その結果、狭義クリソバラヌス科と旧ユーフロニア科が単系統群を作り、旧カイナンボク科と旧トリゴニア科が単系統群を作ることが分かった。狭義クリソバラヌス科内ではAfrolicania属、Parinari属の順に分岐し、従来の狭義クリソバラヌス科内の分類システムと見解が異なった。また、カイナンボク科内ではカイナンボク属とTapura属が単系統群を作ることが分かった。この系統関係を基に、これまで旧科内における属間の分類に用いられてきた形態形質(花の左右相称・放射相称、雌蕊の花托上の位置など)の進化を考察した。これらの結果をまとめて、2008年植物学会(高知大学)で口頭発表を行い、現在論文の投稿準備を行っている。
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Research Products
(2 results)