2009 Fiscal Year Annual Research Report
インド・西部太平洋におけるタイ科クロダイ属魚類の分類学的再検討
Project/Area Number |
20570091
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
岩槻 幸雄 University of Miyazaki, 農学部, 教授 (60213302)
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Keywords | インド・西部太平洋 / タイ科 / クロダイ属魚類 |
Research Abstract |
クロダイ属魚類は、広大なインド・西部太平洋において分布し、最も人間に身近で、何処でも漁獲対象となっており、ごくありふれた普通種である。しかし、FAOよりタイ科クロダイ属魚類は分類学的再検討が急務とされている。そこで,最も混乱しているインド洋のナンヨウチヌ類似種群の分類学的再検討を行った。その結果、HoloAcanthopagrus vagus Petersは従来、A.berdaのシノニムとされて、両者は混同されてきたが、南アフリカの有効種であるであることが判明した。さらに、クロダイ類似種群からオマーンより未記載種が見つかりA,omanensisとして新種報告を行った。さらに、ペルシア湾のキチヌ類似種群の検討の中でさらにもう1種のクロダイ類似種群のもう1種の未記載がみっかった。そこで、これをA.randalliとして新種記載を行った.一番難しいグループのキチヌ類似種群を中心にまず検討を行ってきたが、体節的なモードの異なる計数形質(側線鱗数等)、形態および色彩が非常に似ており、形質の幾つかの組み合わせでないと正確な同定が難しく、いわゆる同胞種(sibling species;Iwatsuki et al., 2006)が内在していることは判明し、6種のうち4種が中近東に、またオーストラリア北西部で2種が確実に分布・生息していることを確認した。それらのものの形態学的違いが地理的変異なのか、亜種レベル以上の違いなのか、更に遺伝学的な解析結果から結論を下す予定である。
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