2009 Fiscal Year Annual Research Report
双子葉植物から単子葉植物への進化の道すじの推定―単子葉植物の起源を探る第一段階―
Project/Area Number |
20570095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 実 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (20227292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 純 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教 (20432627)
布施 静香 兵庫県立人と自然の博物館, 自然環境評価研究部, 研究員 (30344386)
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Keywords | 原始的被子植物 / 単子葉植物 / 分子系統樹 |
Research Abstract |
双子葉植物から単子葉植物への進化の道すじを推定するために、昨年度と同様に今年度も、単子葉植物の姉妹群候補となる20種の双子葉植物と、単子葉植物の分子系統樹の根元付近から分岐するいくつかの種を含めた40種の単子葉植物との分子系統解析を試みた。 昨年度は、葉緑体のatpBとndhF、ミトコンドリアのmatR、核の18Sの塩基配列の決定を試みていたが、今年度は、8つのDNA領域の塩基配列の決定に成功した。現段階でのアラインメント後の長さを括弧内に入れてそれらを示すと、葉緑体のatpB(1474bp)、 matK(1831bp)、 ndhF(2033bp)、rbcL(1370bp)、ミトコンドリアのatp1(1186bp)、cox1(2050bp)、matR(2175bp)、核の18S(1696bp)となる。従って、現段階までに合計13815bpの塩基配列を決定したことになる。 このデータに基づいて分子系統樹を構築してみると、単子葉植物の姉妹群候補として、センリョウ目、コショウ目、モクレン目とクスノキ目のクレード、EUDICOTSの4つの可能性が示唆されたが、未だ絞り込むには至らなかった。 来年度は、解析する双子葉植物の種数を増やし、また、葉緑体のrp12、rps4、ミトコンドリアのatpA、cob、cox3、nad5の塩基配列を新たに決定することを試みる。さらに、陸上植物のバーコードに使えるDNA領域の探索に関する最近の研究で試された葉緑体のatpF-arpH、rpoB、rpoC1、trnH-psbAの塩基配列を本研究の対象植物で新たに決定したい。そして、それらのデータを加えた大きなデータセットに基づいて解像度の高い分子系統樹を構築し、単子葉植物の姉妹群を高い信頼性で推定することを目指す。
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