2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳に局在するポリシアル酸構造と脳由来神経栄養因子との相互作用の解析
Project/Area Number |
20570107
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 ちひろ Nagoya University, 生物機能開発利用研究センター, 准教授 (10343211)
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Keywords | ポリシアル酸 / シアル酸 / BDNF / NCAM / 神経栄養因子 / ニューロトロフィン / TrkB / 相互作用解 |
Research Abstract |
シアル酸の重合体であるポリシアル酸構造は、脳髄膜炎細菌の表面莢膜多糖成分として、また、脊椎動物では神経形成期における神経細胞接着分子(NCAM)にその存在が知られている。現在、NCAMを中心にした研究の結果から、ポリシアル酸が細胞と細胞、細胞と細胞外基質の間の接着を阻害的に制御して、神経発達を正常に行うという機能性糖鎖分子であると認識されている。本研究では、ポリシアル酸が反接着作用だけではなく、積極的に脳に存在する分子と結合し、その機能を制御していると考え、ポリシアル酸が相互作用する分子として、BDNF(脳由来神経栄養因子)を中心に相互作用解析を行った。BDNFとポリシアル酸の相互作用は、ゲルシフトアッセイおよびゲル濾過を用いて解析した。その結果、ポリシアル酸の平均重合度を43とすると、BDNF(2量体)1molと、ポリシアル酸糖鎖(DP=43)2molが直接相互作用することがわかった。またこの相互作用には、シアル酸の重合度が12以上必要であること、高濃度のCa2+存在下で解離することがわかった。さらにゲル濾過クロマトグラフィーではBDNFの受容体(高親和性受容体-TrkB,低親和性受容体-p75NTR)を含めた三者会合体の可能性を調べた。その結果、BDNF-ポリシアル酸複合体は分子量2000kDa以上の安定な超分子複合体を形成すること、またBDNF受容体存在下では、ポリシアル酸が保持していたBDNFの一部が受容体へ親和性の違いを通じて移動することが明らかになった。また、このポリシアル酸との相互作用は他の栄養因子(NGF, NT-3, NT-4)間でも同様の複合体を形成することがわかった。
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Research Products
(34 results)
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[Journal Article] Membrane microdomains from early gastrula embryos of medaka, Oryzias latipes are a plat form of E-cadherin and carbohydrate-mediated cell-cell interactions during epiboly2009
Author(s)
Adachi T., Sato. C., Kishi, Y., Totani, K., Murata, T., Usui, T., Kitajima, K
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Journal Title
Glycoconjugate J 26
Pages: 285-299
Peer Reviewed
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