2008 Fiscal Year Annual Research Report
X線構造による脳内新規EFハンドタンパク質Iba1のシグナリング分子機構の解明
Project/Area Number |
20570109
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
神鳥 成弘 Kagawa University, 総合生命科学研究センター, 教授 (00262246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 裕美 香川大学, 総合生命科学研究センター, 准教授 (10313305)
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Keywords | X線結晶解析 / カルシウム結合タンパク質 / EFハンドタンパク質 / ミクログリア / アクチン結合タンパク質 / タンパク質複合体 / 多量体形成 / タンデムリピート |
Research Abstract |
脳内免疫細胞ミクログリア特異的カルシウム結合タンパク質lba1(Ionized calcium binding adaptor molecule l)は,147アミノ酸からなるEFハンドタンパク質であり,ミクログリア活性化シグナリングにおいて,さまざまターゲット分子と相互作用し,その機能を発揮していると考えられている。申請者らは,これまでにX線結晶解析によりlba1がカルシウム依存的に2量体を形成するという極めて興味深い現象を明らかにした。これはEFハンドタンパク質においては初めての例である。本研究の目的は,2量体Ibal・ターゲット分子複合体の構造学的研究を展開することにより,Iba1が生体内において2量体で機能していることを証明するとともに,ミクログリア活性化におけるIba1のシグナリング分子機構を解明することである。本年度は,カルシウム結合型Iba1の高分解能(1,89A)のX線構造を決定し,カルシウム結合部位の構造をより詳細に明らかにした。また,Ibalが,2量体を形成した際,1つの分子のC末端と別の分子のN末端とが2量体分子の同じ側に突き出ていることから,安定型2量体形成を目指したタンデムリピート型lba1の構築を試みた。2つのIbalをつなげたタンデムリピート型Iba1は,His-タグをC末に付加することにより,精製を行った。大腸菌培養液1lから7.5mgのタンパク質を純度よく精製することに成功した。これは野生型Iba1と同程度の発現量であった。現在,結晶化条件を探索中するとともに,水溶液中で安定に2量体を形成しているかどうか確かめることを試みている。
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