2009 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の糖付加修飾・C-マンノシル化が関わる自然免疫系シグナル制御機構の解明
Project/Area Number |
20570112
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
井原 義人 Wakayama Medical University, 医学部, 教授 (70263241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井内 陽子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (20316087)
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Keywords | 生体分子 / 糖鎖 / 糖 / シグナル伝達 / 合成化学 |
Research Abstract |
1. 研究の目的 本研究は、我々が発見したC-マンノシル(C-Man)化ペプチドによるリポポリサッカライド(LPS)シグナルの増強制御の知見をもとに、マクロファージ細胞株における自然免疫系シグナル伝達に対するC-Man化ペプチドの作用機構を明らかにすることを目的とする。 2. 研究実施内容 これまでの研究で、化学合成したC-Man化ペプチド(最小必須構造C-Man-Trp-Ser-Pro)が、マクロファージ様RAW264.7細胞において、LPSシグナル伝達経路を増強することを見出した。また、C-Man化ペプチドの結合分子としてHeat Shock cognate protein 70(Hsc70)を同定した。本年度は、C-Man化ペプチドとHsc70の結合分子機構の解明を目指した。C-Man-Trp-Ser-Pro-Trp-Cys-Biotinを含む蛍光標識プローブを作製し、精製Hsc70との相互作用について蛍光偏光度測定法により解析した。また、Hsc70のC-Man化ペプチド結合部位を調べるため、Hsc70のヌクレオチド結合領域と基質結合領域を含むそれぞれのドメインタンパク質を遺伝子組換えによる大腸菌発現系で発現させ、精製タンパク質を用いた結合実験を行った。 3. 研究結果 Hsc70は、コントロールペプチドに比べ、C-Man化ペプチドに対して高い親和性で結合することが明らかとなった。その結合親和性はADPによる影響は受けず、ATP存在下で増強した。またHsc70とC-Man化ペプチドの結合は、ヌクレオチド結合領域よりむしろ、基質結合領域に高い親和性のあることがわかった。今後、C-Man化ペプチドとHsc70の結合の自然免疫シグナルにおける意義について、その細胞シグナルへの影響について生化学的な解析を進める予定である。
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Research Products
(4 results)