2008 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロールに富む膜機能ドメインの構造・機能相関に関する研究
Project/Area Number |
20570116
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
岩下 淑子 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (50111498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 光司 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (30142649)
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Keywords | 脂質ラフ / コレステロール / Tリンパ球 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
膜機能ドメイン(脂質ラフト)はシグナル伝達に重要な役割を担うと考えられている。本研究では、脂質ラフトの構造と機能の相関を「加齢に伴うTリンパ球の活性化能の低下」に着目して解析した。これまでに、Tリンパ球脂質ラフトに局在するアダプター分子PAG(phosphoprotein associated with glycosphingolipid-enriched microdomains)が加齢で著しく減少する事を見出し、この減少から生じる一連のシグナル伝達の「負」の制御の異常を明らかにしている。これに加え、今回、抑制型補助刺激シグナル受容体であるPD-1の細胞表面における発現量が加齢に伴い著しく増加する事を見出した。PAGの減少とPD-1の増加が相補的に作用してシグナル伝達機能を低下させ、Tリンパ球の機能低下を引き起こすことが考えられる。また、シグナル伝達関連タンパク質だけでなく、ラフト構成脂質の組成や局在様式もラフトにおけるシグナル伝達を規定する要因と考えられる。そこで、ラフトの主要構成成分であるコレステロールの局在様式の加齢変化を解析した。その結果、コレステロールに富む膜ドメインを認識する高分子プローブ(BCθ)の細胞表面への結合量が加齢に伴い著しく増加することが明らかとなった。細胞のコレステロール量は加齢で大きく変化しない事から、この結合量の増加はコレステロールのTリンパ球細胞膜での局在様式の加齢変化を反映している可能性が示唆された。
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[Journal Article]2008
Author(s)
McInstosh, A. L., et al.
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Journal Title
Probes and Tags to Study Biomolecular Function : for proteins, RNA, and Membranes(Wiley-VCH)
Pages: 1-33
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