2009 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロールに富む膜機能ドメインの構造・機能相関に関する研究
Project/Area Number |
20570116
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
岩下 淑子 Iwaki Meisei University, 薬学部, 客員研究員 (50111498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 新太郎 いわき明星大学, 薬学部, 教授 (90092147)
猪股 光司 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 研究員 (30142649)
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Keywords | 脂質ラフト / Tリンパ球 / シグナル伝達 / コレステロール |
Research Abstract |
膜機能ドメイン(脂質ラフト)はシグナル伝達に重要な役割を担うと考えられている。本研究では、脂質ラフトの構造と機能の相関を「加齢に伴うTリンパ球の活性化能の低下」に着目して解析した。これまでに、マウスTリンパ球脂質ラフトに局在するアダプター分子PAG (phosphoprotein associated with glycosphingolipid-enriched microdomains)が加齢で著しく減少する事を見出し、この減少から生じる一連のシグナル伝達の「負」の制御の異常を明らかにしている。これに加え、今回、抑制型補助刺激シグナル受容体であるPD-1のCD4+Tリンパ球細胞表面における発現量が加齢に伴い著しく増加する事を見出した。このような細胞表面における発現変化は他の活性型・抑制型補助刺激シグナル(CD28, CTLA-4)では認められなかった。さらに、PD-1陽性Tリンパ球はT細胞受容体刺激に対して不応答であることが明らかとなった。PD-1の増加は上述したPAGの減少と相補的に作用してシグナル伝達機能を低下させ、Tリンパ球の機能低下を引き起こすことが考えられる。また、シグナル伝達へのラフト構成脂質の影響を調べる一環としてT細胞受容体刺激の前後におけるコレステロールの変化を測定した。細胞あたりのコレステロール量は若齢・老齢に関わらず受容体刺激によって著しく増大することがわかった。
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Research Products
(6 results)