2010 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロールに富む膜機能ドメインの構造・機能相関に関する研究
Project/Area Number |
20570116
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
岩下 淑子 いわき明星大学, 薬学部, 客員研究員 (50111498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 新太郎 いわき明星大学, 薬学部, 教授 (90092147)
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Keywords | 脂質ラフト / Tリンパ球 / シグナル伝達 / コレステロール / 細胞膜 |
Research Abstract |
膜機能ドメイン(脂質ラフト)はシグナル伝達に重要な役割を担うと考えられている。本研究では、脂質ラフトの構造と機能の相関を「加齢に伴うTリンパ球の活性化能の低下」に着目して解析した。これまでに、マウスTリンパ球脂質ラフトに局在するアダプター分子PAG(phosphoprotein associated with glycosphingolipid-enriched microdomains)が加齢で著しく減少する事を見出し、この減少から生じる一連のシグナル伝達の「負」の制御の異常を明らかにしている。さらに、PD-1陽性Tリンパ球が加齢に伴い著しく増加する事を見出した。このリンパ球はT細胞受容体刺激に対して不応答であることが明らかとなった。PD-1の増加は上述したPAGの減少と相補的に作用してシグナル伝達機能を低下させ、Tリンパ球の機能低下を引き起こすことが考えられる。また、シグナル伝達関連タンパク質だけでなく、ラフト構成脂質の組成や局在様式もラフトにおけるシグナル伝達を規定する要因と考えられる。そこで、コレステロールに富む膜ドメインを認識する高分子プローブ(BCθ)を用いてラフトの主要構成成分であるコレステロールの局在様式の加齢変化を解析した。その結果、プローブのTリンパ球細胞表面への結合量は、若齢マウスでは受容体刺激後に著しく増大するのに対して、老齢マウスでは未刺激の状態ですでに高く、刺激によってそれ以上増大しないことがわかった。これらの結果から、コレステロールのTリンパ球細胞膜での局在様式の加齢変化と受容体シグナル伝達能の加齢に伴う低下と間に何らかの関連性のあることが示唆される。
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