2008 Fiscal Year Annual Research Report
レギュレータープロテオミクスによる新規の筋分化因子およびユビキチン化装置の探索
Project/Area Number |
20570123
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田村 隆明 Chiba University, 大学院・理学研究科, 教授 (30112692)
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Keywords | 筋分化 / ユビキチン化 / TIP120 / SCF |
Research Abstract |
本研究課題では、筋肉におけるタンパク質分解の新たな制御機構、制御因子の発見を念頭に、特にエビキチン-プロテアソ-ム系に注目して研究を行った。筋肉はタンパク質分解の盛んな組織であり、骨格筋はある種の疾病や神経切断、筋肉の不使用などにより急速に委縮する。研究代表者らはこれまでの研究により、培養化された筋管細胞において、筋分化因子の一つマイオジェニンが急速に分解され、そこにユビキチンリガ-ゼであるSCF複合体が関与する事を明らかにしている。SCFはSkpl,Cull,F-boxタンパク質からなるが、Cullは触媒活性をもち、F-boxタンパク質は標的タンパク質結合という標的特異性に関る部分で、SkplはCullとF-boxタンパク質を連結している。さらにTIP120BはCullと結合し、それによってSCF複合体を解離させるというユビキチン化にとって負に働く因子である。以上のような背景を踏まえ、本年度は以下のような研究を行なった。まずSCF複合体のさらなる解析を行なった。その結果これまで未知であったF-boxタンパク質について、MAFbxがその候補として浮かび上がった。MAFbxは筋萎縮で発現が上昇する因子で、MyoDの分解に関与する。本研究ではMAFbxとマイオジェニンとの結合や、過剰発現によるマイオジェニンの減少、さらにはマイオジェニンのポリユビキチン化などが観察された。TIP120Bは筋分化を促進する。TIP120Bの遺伝子発現は筋分化にともなって発現するという現象を見出し、その発現制御機構を検討した。その結果MyoDが制御因子となる可能性が示され、遺伝子上流にMyoDコンセンサス配列の存在が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)