2010 Fiscal Year Annual Research Report
DYRKファミリーキナーゼと特異的に相互作用する細胞内タンパク質の同定と機能解析
Project/Area Number |
20570129
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮田 愛彦 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (70209914)
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Keywords | DYRK / WDR68 / WD40リピート / キナーゼ / シグナル伝達 / ダウン症候群 / DYRK1A / DYRK1B |
Research Abstract |
DYRK1Aはヒトクロモソーム21番のダウン症候群クリティカル領域にコードされたキナーゼで、トリソミー形成によるDYRK1Aの量的変化がダウン症候群の多彩な症状の一部を担うと考えられている。DYRK1Aの制御機構および生理作用を知るため、細胞内DYRK1A結合タンパク質の同定を行なった。COS7細胞に過剰発現したDYRK1Aをタグアフィニティー精製によって単離し、特異的に結合した分子量約42kDaの細胞内タンパク質をマススペクトル-PMF解析によってWDR68と同定した。また共免疫沈降によって内在性WDR68とDYRK1Aとの結合が確認された。WDR68はペチュニアの花のアントシアニン色素合成異常の原因遺伝子として初めて同定されたWD40-repeatタンパク質であるが、アントシアニンを合成しない高等動物に至るまで進化的に非常によく保存されていることから、これまでに明らかにされていない重要な生理的機能を持つと推察される。siRNAによるWDR68のノックダウンにより、WDR68が培養細胞の増殖や生存に必須であることが判った。ヒトの5種類のDYRKファミリーのうちDYRK1AおよびDYRK1BのみがWDR68と結合し、DYRK2, DYRK3, DYRK4とは結合しなかった。欠失変異体の解析により、DYRK1AのN末端領域がWDR68結合部位であること、またWDR68の5つのWD40リピートだけでは相互作用には不充分でN末端・C末端の領域も結合に必要であることが明らかになった。WDR68は細胞質及び核に存在したが、DYRK1Aを共発現させると細胞質のWDR68は核に集積するようになった。これらの結果から、DYRK1Aは細胞内でWDR68と特異的に結合し、その結合によってWDR68の核移行を引き起こしてWDR68の細胞内機能に影響を及ぼすと考えられる。
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[Journal Article] Efficient soluble protein production on transgenic silkworms expressing cytoplasmic chaperones2010
Author(s)
Hong, S.M., Yamashita, J., Mitsunobu, H., Uchino, K., Kobayashi, I., Sezutsu, H., Tamura, T., Nakajima, H., Miyagawa, Y., Lee, J.M., Mon, H., Miyata.Y., Kawaguchi, Y., Kusakabe, T.
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Journal Title
Appl.Microbiol.Biotechnol
Volume: 87
Pages: 2147-2156
Peer Reviewed
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