2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570131
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増井 良治 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授 (40252580)
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Keywords | 高度好熱菌 / ミスマッチ修復 / 塩基除去修復 / MutS / MutL / ウラシルDNAグリコシラーゼ / RecJ / DNAポリメラーゼX |
Research Abstract |
ゲノム情報の正確な複製と子孫への伝達のために,細胞内には多様なゲノム情報安定維持機構が存在する。本研究では,高度好熱菌のミスマッチ修復系と塩基除去修復系の反応機構の分子メカニズムの解明を行った。まずMutLのヌクレアーゼ活性はC末端ドメインが担っているが,N末端ドメインにATPが結合すると非特異的な分解活性が抑制され,MutS存在下でミスマッチ特異的なDNA結合能を示すことを明らかにした。次にMutS2のC末端ドメインの結晶構造を決定し,DNase Iなどとの構造類似性を見いだした。しかし,MutS2は分岐構造をもつDNAを認識・分解することから,相同組換えの抑制に働くと考えられた。さらに,新奇な一本鎖DNA特異的3'-5'エキソヌクレアーゼとしてTTHB178を同定した。その遺伝子破壊株は野生型に比べて,高い自然突然変異率や過酸化水素に対する感受性を示したことから,TTHB178はミスマッチ修復などに働いていると考えられた。また,5'-3'エキソヌクレアーゼであるRecJ全長の結晶構造を決定し,その一本鎖DNA特異性の構造的基盤を解明した。塩基除去修復系では,ウラシルDNAグリコシラーゼUDGBとDNAとの複合体,およびAPエンドヌクレアーゼ(Endo IV)の結晶構造を決定し,互いの活性に及ぼす影響を再構成系を用いて調べた。さらに,脱塩基部位が除去されたあとのギャップをうめる酵素として,DNAポリメラーゼIではなくDNAポリメラーゼXが働くことを示した。また,DNAポリメラーゼXの3'-5'エキソヌクレアーゼ活性はC末端ドメインが担うことも示した。
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Research Products
(22 results)