2010 Fiscal Year Annual Research Report
内在性ガレクチン9による血管内皮細胞のインターフェロン感受性調節作用
Project/Area Number |
20570133
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
西 望 香川大学, 総合生命科学研究センター, 准教授 (10145047)
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Keywords | ガレクチン / 血管内皮細胞 / インターフェロン / ケモカイン / RNA干渉 |
Research Abstract |
新世代のsiRNAを用いた昨年度の研究成果から、旧タイプのsiRNAによって得られた実験結果が、オフターゲット効果によるものであることが判明し、本研究の基盤としてきた手掛かりが失われた。このため、本年度は研究の方針を変更し、ガレクチン9を含むガレクチンファミリーに共通する重要な問題である分泌メカニズム(ガレクチンは非古典的分泌経路を介して分泌されるがその詳細は不明)を血管内皮細胞/インターフェロン刺激の系を用いて検討した。ガレクチン9の定量にはサンドイッチELISA法を用いた。インターフェロンで刺激した血管内皮細胞を様々な薬剤(PMA,forskolin,A23187,histamine,TNF-α,IL-1α,staurosporin,SB203580,LY294002)で処理し、細胞内と培地中のガレクチン9を測定した。その結果、A23187処理により細胞内ガレクチン9の減少(対照の約40%に減少)と、培地中の濃度増加が再現性良く観察された。しかし、培地中に検出される量は刺激後24時間で0.5ng/ml以下であり、細胞内減少分の5%程度であった。さらに、古典的分泌経路の阻害剤であるbrefeldin Aを添加すると、細胞内ガレクチン9は10%以下に低下し、培地中ではほとんど検出されなかった。この細胞内ガレクチン9の減少は、bafilomycin A1(リソゾームにおける蛋白質分解阻害剤)により阻害されることから、brefeldin Aはガレクチン9の分解を促進したものと考えられる(シクロヘキシミドやピューマイシンで蛋白質合成を阻害しても、24時間では細胞内ガレクチン9の減少は認められない)。brefeldin AやA23187はERストレスを引き起こすことから、細胞内ガレクチン9の減少とERストレスの関連が示唆された。
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Research Products
(12 results)