2008 Fiscal Year Annual Research Report
コレクチンとの相互作用による免疫グロブリンの機能制御
Project/Area Number |
20570136
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
清水 健之 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (10339137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 由夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70161784)
西谷 千明 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30381255)
有木 茂 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80464478)
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Keywords | 免疫学 / 蛋白質 / 生体分子 / コレクチン / 免疫グロブリン |
Research Abstract |
我々は、生体防御レクチンであるコレクチンの免疫反応制御について研究を行っている。本研究の目的は、獲得免疫生体防御に重要な分子である免疫グロブリンとコレクチンの相互作用を解析し、コレクチンの結合が免疫グロブリン機能に及ぼす影響を明らかにすることである。以下に本年度の研究成果を要約する。 1、ビオチンで標識した肺コレクチンのSP-AやSP-D、マンノース結合レクチン(MBL)を用いて、コレクチンが様々なクラスのマウス由来モノクローナル抗体や組換え免疫グロブリンとカルシウム存在下で結合することを示した。またコレクチンは、ハプテン特異的モノクローナル抗体とハプテン化キャリア蛋白で形成された免疫複合体に結合した。特にMBLとSP-Dは、IgMの免疫複合体と強い結合性を示した。コレクチンと免疫グロブリンの相互作用が証明されたことで、今後はその機能と生物学的意味を解明していくことが重要である。 2、コレクチンと免疫グロブリンや免疫複合体の相互作用は、EDTAや過剰のマンノースによって部分的に阻害された。このことは、レクチン様結合の重要性を示唆している。また、免疫グロブリンのクラスやクローンによって、コレクチン結合性の強さが異なることを示唆する結果を得た。各クローン間のアミノ酸配列や修飾糖鎖等の構造の違いを反映している可能性が考えられる。コレクチンと免疫グロブリンの結合様式に関してより詳しい解析を行うことは、免疫グロブリンのエフェクター機能とコレクチン結合の関連を明らかにする上で重要である。
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Research Products
(9 results)