2009 Fiscal Year Annual Research Report
コレクチンとの相互作用による免疫グロブリンの機能制御
Project/Area Number |
20570136
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
清水 健之 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (10339137)
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Keywords | 免疫学 / 蛋白質 / 生体分子 / コレクチン / 免疫グロブリン |
Research Abstract |
我々は、生体防御レクチンであるコレクチンの免疫反応制御について研究を行っている。本研究の目的は、獲得免疫生体防御に重要な分子である免疫グロブリンとコレクチンの相互作用を解析し、免疫グロブリン機能との関連を明らかにすることである。以下に本年度の研究成果を要約する。 1. 解析している3つのコレクチン分子のうち、SP-AよりもSP-DとMBLがコレクチンに対する結合性が高かった。同一の可変領域を持ち、定常領域を入れ換えた組換え免疫グロブリンを作製して、これらのコレクチンとの結合を調べた結果、特にIgMやIgEに強い結合を示した。IgMへの結合では、SP-DやMBLの糖結合領域(CRD)に対するモノクローナル抗体によって結合の抑制が見られたことから、コレクチンのCRDが免疫グロブリンとの相互作用に重要であることが示された。IgMやIgEはIgGと比べて修飾糖鎖が多いことからも、コレクチンは免疫グロブリンのFc領域に結合した糖鎖を認識している可能性が高いと考えられるが、これについては更なる検討を必要とする。また、複数のモノクローナルIgMを比較すると、MBLの結合性に違いがあることもわかった。 2. 免疫グロブリンの機能との関連を調べるため、マクロファージによるIgG依存性ファゴサイトーシスの系を用いた。ラット肺胞マクロファージに蛍光標識したビーズを貪食させるとき、ビーズにIgG2bが結合しているとマクロファージによる貪食が増強される。ここにSP-Aが存在すると更なる貪食の促進が見られ、SP-Aはマクロファージの貪食活性を高めることがわかった。しかし、IgG2bがなくても低い程度のSP-Aによる貪食の促進はみられ、SP-Aがビーズ上のIgGに結合することにより貪食を促進しているのかは、現在のところ明らかではない。
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Research Products
(5 results)