2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570137
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
本間 美和子 Fukushima Medical University, 医学部, 准教授 (40192538)
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Keywords | CK2 / キナーゼ / リン酸化 / 核機能 / 細胞周期 |
Research Abstract |
CK2(カゼインキナーゼ2)はyeastからヒトまで種を超えて広範な分布がみられており、個体の生存と増殖に必須となる酵素の一つである。本研究では、増殖へ向う細胞周期の進行に伴い、CK2が細胞質から核内へ移動することで増殖シグナルに関与する機序を明らかにする事を目的とした。 1. CK2は触媒サブユニットalpha(αまたはα')と制御サブユニットbeta(β)がヘテロ4量体を形成するとholoenzymeとして最大活性を示す。核内への移行について各サブユニットの動きを解析したところ、alphaサブユニットが増殖刺激3時間後から移動をはじめ、それに少し遅れてbetaサブユニットが移行するが、FRAP解析により、ひとたび核内に移動した後は核内のコンパートメントにとどまり、細胞質との自由拡散は抑制されていることが明らかとなった。その際に、CK2活性ならびにリン酸化が局在変化に密接に関与する事が示唆された。実際に、in vivo phosphorylation labeling (^<32>P-Pi)により、CK2分子自体のリン酸化が核移行と関連する事が示されたので、核以降に関与するリン酸化部位について、Mass解析を進行中である。 2. CK2について、個々の基質リン酸化の生理的な意義については一部を除いて明らかになっていないのが現状であるが、本研究では厳密な細胞周期進行という観点から、特定の時間軸においてCK2によりリン酸化される核内タンパク、特にクロマチン制御タンパクの機能を明らかにする。これまでに、ヒストン交換反応とヌクレオソーム形成という、重要なクロマチン機能制御タンパク質複数種をターゲットとしてリン酸化することを見出した。今後はCK2によるターゲットキー分子のリン酸化が染色体複製に関連して起こる核分裂など、クロマチンのダイナミックかつ普遍的な生理機能に必須であり、結果として細胞周期進行に重要な役割を果たす可能性を明らかにする。
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