2008 Fiscal Year Annual Research Report
aPKC依存的な遺伝子発現を介した新規細胞極性制御メカニズムの解析
Project/Area Number |
20570138
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
秋本 和憲 Yokohama City University, 医学部, 助教 (70285104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶋 洋治 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (10217995)
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Keywords | aPKC / Cell polarity / breast cancer |
Research Abstract |
研究成果 (1)aPKCλを介した乳がん初期におけるanti-oncogenic作用の解析について aPKCλ依存的なanti-oncogenic作用に関わる転写調節因子Xを同定した。この転写調節因子Xの挙動をaPKCλ遺伝子欠損マウス、プライマリー細胞やaPKCλノックダウンヒト正常様乳腺上皮細胞MCF10A細胞で検証した。その結果(1)転写調節因子XはaPKCλと共沈した(IP-western解析)(2)aPKCλはこの転写調節因子の転写活性能を抑制的に制御していた(レポーター遺伝子解析やゲルシフト解析)(3)このaPKCλの抑制制御はaPKCλのキナーゼ活性依存的であった〓aPKCλ遺伝子欠損マウスの乳腺上皮ではこの転写調節因子Xの細胞内局在が異常となっていた(論文投稿準備中)。現在、aPKCλによるこの転写調節因子Xの更なる詳細な制御メカニズムの解明を目指して研究を進めている。 (2)進行性乳がんにおけるaPKCλを介したoncogenicの解析について ・前立腺がんにおけるaPKCλ高発現依存的ながんの進行メカニズムの解析において、aPKCλが転写調節因AP1とNFkBを介して分泌因子Yの遺伝子発現と合成を促進し、オートクライン的に細胞増殖を促進することを突き止めた(論文投稿中)。現在、このシステムが乳がんにおいても保存されているかどうかを検証中である。 ・aPKCλ自身の高発現のメカニズムについては、ヒトaPKCλ遺伝子のプロモーター領域10kbほどを用いたレポーター遺伝子を作成した。更に1kbずつ5'端方向から短くした各レポーター遺伝子を作成した。今後はヒト乳がん由来細胞株のうちaPKCλ発現量が低い細胞株と高い細胞株を比較検討することでそのメカニズムに迫る予定である。
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