2010 Fiscal Year Annual Research Report
aPKC依存的な遺伝子発現を介した新規細胞極性制御メカニズムの解析
Project/Area Number |
20570138
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
秋本 和憲 横浜市立大学, 医学部, 助教 (70285104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶋 洋治 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (10217995)
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Keywords | aPKC / 細胞極性 / 発がん |
Research Abstract |
【1】aPKCλを介した遺伝子発現調節メカニズムの詳細な解析 昨年度までに同定したaPKCλを介した遺伝子発現調節メカニズムに関わる候補分子Xが実際にこの遺伝子発現経路に関わることを検証できた。そして、「aPKCλ→分子X→遺伝子発現」という新規シグナル経路の存在を明らかとした。さらにこの経路が乳腺上皮前駆細胞の増殖制御に関わることを明らかとした(論文投稿中)。更にこの制御の破綻がヒト乳がんの8%(14例/177例)の原因となっていることを示唆する結果を得た。この発見は将来の幹細胞を標的としたがん治療や再生医療への応用に向けての重要な理論的基盤となる。 【2】進行がん(前立腺がん)におけるaPKCλの役割の解析 前立腺がんにおいて、我々が1昨年に報告したaPKCλ依存的なIL6遺伝子発現→IL6蛋白合成・分泌→オートクライン作用による細胞増殖というメカニズム(aPKCλ-IL6 axis)(PNAS,2009)が再発がんで働いていることを明らかとした(Cancer Sci 2011 in press)。この結果は将来,aPKCλシグナルを標的とした前立腺がんの分子標的治療薬の開発やIL6阻害剤を前立腺がんの治療に使用する理論的基盤となることが期待される。
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