2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570143
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
西松 伸一郎 Kawasaki Medical School, 医学部, 講師 (20222185)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濃野 勉 川崎医科大学, 医学部, 教授 (20098619)
相賀 裕美子 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (50221271)
|
Keywords | 形態形成 / 発生・分化制御 / 酵素の調節 / 胚葉形成・原腸形成・体節形成 / 発生遺伝 / 進化発生 |
Research Abstract |
PC6は、Furinファミリーに属するプロテアーゼで、骨形成タンパク質(BMP)などの前駆体タンパク質を切断し成熟型に変換する。代表者は、PC6が両生類胚のオーガナイザー領域に発現していることを発見し、PC6によるBMP前駆体の切断がオーガナイザーの自律分化と頭尾軸にそった胚の基本体制(ボディープラン)の確立に関与していることを見出した。本研究は、この反応がマウスの胚発生においても必須の反応であるのか明らかにすることを目的とする。 PC6の発現を胚発生の時期や領域特異的に阻害するために、Cre-loxPの系を用いたコンディショナルKOマウスの作成を行った。翻訳開始コドンを含む第1エクソンの両端にloxP配列を挿入したターゲティングベクターを構築しES細胞に導入したが、適切に相同組換えを起した細胞を得ることができなかった。左右のアームの長さを変更したベクターを再構築し、ES細胞への導入を試みているところである。ES細胞が得られ次第、キメラマウスの作成に入る。 並行して、ドミナントネガティブ型PC6を作製した。PC6が属するFurinファミリーのプロテアーゼは、構造活性相関の解析が進んでおり、活性が阻害されるアミノ酸の変異が多数報告されている。こうしたデータを参考に、前駆体領域や活性中心に変異を導入したPC6変異体を作成し、両生類胚を使って形態形成に及ぼす効果を検討した。その結果、PC6の前駆体領域115アミノ酸と緑色蛍光タンパク質(GFP)との融合タンパク質が、低濃度で予想される変異を引き起こすことがわかった。モルフォリノオリゴによる阻害効果との違いや、阻害効果の特異性を検討しているところである。両生類胚で効果が確認でき次第、トランスジェニックマウスの作成を行う予定である。いずれの実験も最終的な成果が得られるまでに至っていないが、問題点を解消し計画を進めている。
|