2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアの選択的分解に必要な新規因子の網羅的探索と機能解析
Project/Area Number |
20570144
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
岡本 浩二 大阪大学, 生命機能研究科, 特任准教授 (40455217)
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Keywords | ミトコンドリア / 細胞内分解 / 品質管理 / 酸化ストレス / 出芽酵母 |
Research Abstract |
【平成22年度】新規ミトコンドリア・オートファジー関連タンパク質の機能解析 前年度までの研究で、蛍光顕微鏡による網羅的1次スクリーニングで単離されたミトコンドリア・オートファジー変異株について、栄養飢餓誘導型の非選択的オートファジーやCvt経路(液胞酵素の生合成に働く選択的オートファジー)が正常に働いているかどうかを、酵素学的アッセイ、ウェスタンブロット、電子顕微鏡解析、光学顕微鏡観察の手法を用いて調べた。また、ミトコンドリア・オートファジーに特異的な異常が認められた変異株について、ミトコンドリア分解を定性的かつ定量的に調べるため、ウェスタンブロット、蛍光顕微鏡観察、電子顕微鏡解析を行った。 その結果、エンドソーム・リソソーム系の膜輸送、タンパク質のアセチル化、脂質合成、タンパク質の新現合成の標的化に関与するタンパク質の欠損でミトコンドリア分解が顕著に低下することを確認した。またこれら因子の欠失変異細胞において、ミトコンドリア・オートファジーの選択性を規定する鍵タンパク質Atg32の発現は正常であることがわかった。興味深いことに、これら新規ミトコンドリア分解関連因子は、その多くが酵母からヒトまで保存されている。これらの知見は、選択的ミトコンドリア分解が細胞内の様々なプロセスと密接に結びついて起こること、その仕組みは共通のメカニズムで制御されていることを示唆するものである。今後の詳細な解析により、ミトコンドリア・オートファジーの分子機構の全貌に迫ることができると期待される。
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