2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20570145
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
渡辺 研 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 運動器疾患研究部, 室長 (10342966)
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Keywords | 酵素 / スフィンゴ脂質 / マウス |
Research Abstract |
スフィンゴ脂質は、細胞膜の重要な構成成分であり、多くの場合、脂質マイクロドメインと呼ばれるコレステロールに富む領域を形成している。このマイクロドメインの形成に重要なスフィンゴミエリン(SM)は、セラミドとフォスファチジルコリンから生合成され、その生合成反応を触媒するのがSM合成酵素(SMS)である。また、SMからスフィンゴミエリン分解酵素によりセラミドが生成され、セラミドとSMのバランスが細胞の運命やシグナルに深く関わっている事が示唆されている。前年度までにSms1ノックアウト(KO)マウスにおいて精子形成不全を見いだしており、アポトーシス細胞の亢進が観察されていた。p53下流遺伝子の増加も見られていた事から、p53KOマウスとのダブルKOマウスを作製し、精巣の表現型が緩和されるかについて検討を行った。Sms1/p53ダブルKOマウスから精巣を取り出し、Sms1KOマウスとの比較を行ったところ、アポトーシス細胞の数に顕著な差が認められず、また、精子形成不全もSms1KOと同様の表現型を示していた.このことから、Sms1KOマウス精巣におけるアポトーシス亢進と精子形成不全はp53と直接関係がないことが明らかとなった。SM分解酵素遺伝子Smpd3のKOマウスでもSms1KOマウスと類似した精子形成不全を示す事から、精巣におけるSM代謝が精子形成過程に重要な役割を担っていることが示唆された。一方、Sms2も精巣に高発規するものの、Sms1KOマウスでは精巣は正常であり、Sms1KOマウス精巣でもSms2発現は変化が無かった事から、これらの酵素は精巣において異なる役割を担っている事が考えられた。
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Research Products
(7 results)