2010 Fiscal Year Annual Research Report
Vα19NKT細胞の免疫系調節因子分泌能と自己免疫病の抑制
Project/Area Number |
20570146
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Research Institution | Mitsubishi Kagaku Institute of Life Sciences |
Principal Investigator |
島村 道夫 財団法人国際科学振興財団, 研究開発部, 専任研究員 (70399682)
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Keywords | NKT細胞 / 自己免疫病 / アレルギー / 免疫制御 |
Research Abstract |
研究計画の最終年度として、疾病モデル動物におけるVα19NKT細胞の病状抑制機能の検証を目指し、Vα19NKT細胞の特異的活性化を誘導するα-mannosyl化糖脂質の投与の効果を検討した。Vα19NKT細胞が過剰発生するinvariant Vα19TCR遺伝子導入(Vα19Tg)マウスおよび対照として野生型マウスに対しヒツジ赤血球投与によるIV型アレルギー遅延型過敏症の誘導、あるいは卵白アルブミン感作によるI型アレルギーの誘導を行い、このときVα19NKT細胞の活性化剤としてα-ManCer誘導体α-ManCer4Ph (N-[1-(α-mannosyl oxymethyl)-3-(4-octyl-phenyl)propyl]hexadecanamide)投与の病状進行に与える影響を調べた。 その結果Th1/Th17免疫過剰で増悪するIV型アレルギーおよびTh2免疫過剰で増悪するI型アレルギーの両モデルにおいてVα19Tgマウスでは病状の進行は野生型マウスと比較して抑制されていた。しかもα-ManCer4Phの投与によりさらにこの抑制は強まったが、このとき野生型マウスでは投与の影響は認められなかった。これらの結果からVα19NKT細胞はTh1/Th2/Th17免疫系のバランスのホメオスタシスに寄与し、アレルギー疾患の抑制に機能すること、また活性化剤の作用によりその抑制効果が増強されることが示唆された。Vα19NKT細胞はα-ManCer4Phや抗TCR抗体によりin variant TCRへの刺激を受けるとTh1,Th2およびTh17サイトカインのいずれの分泌をも起こす能力を持ち、その割合はTCRへの刺激の強さや持続時間に依存していることを一昨年見出した。この知見に基づいて今回この細胞がいずれの疾病モデルにおいても病状抑制効果を発揮しえた機構を今後解明していく必要があると考える。
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Research Products
(6 results)