2008 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアべん毛モーターによる回転機能発現の瞬間を観る
Project/Area Number |
20570147
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 裕一 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (50323499)
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Keywords | 生物物理 / 分子モーター / ナノバイオ |
Research Abstract |
バクテリアベん毛モーターの回転運動のメカニズムに迫るため、固定子1個による運動の素過程を解析することを研究目的とし、平成20年は以下を行った。 1. 回転計測系の改良 : レーザーと蛍光フィルタを導入し、現有システムのままでも、200nmのビーズで光センサを用いて計測できるようにした。また、顕微鏡に高速カメラを導入ことで、200nm以下のビーズの計測や、複数モーターの同時計測も行うことができるようになった。この実験系では、数10万フレームに対して画像解析を行う必要があるため、専用ソフトウエアの自作を進め、速度、角度等を高精度に、かつ実用的な速度で解析できるシステムを構築した。これらハード、ソフト両面の改良によって、計測システムの分解能と操作性の向上のほか、多様な運動解析を進めることができるようになった。 2. 蛍光観察の導入 : GFP融合タンパクの細胞内分子イメージングのため、エバネッセント照明を用いたイメージング顕微鏡を開発した。現在、GFPタンパクのイメージングほか、ナトリウム感受性試薬を用いて、細胞内ナトリウム濃度計測を検討しているところである。 3. 固定子変異体の運動解析 : 固定子で保存されているアミノ酸残基に変異を与えるとトルクースピード関係が変化することは報告しているが、回転計測を進めた結果、これらの変異体の運動性は、温度にも依存することがわかってきたため、今後解析を進める予定である。
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Research Products
(9 results)